国指定重要文化財 自由学園 明日館講堂 岩崎和雄建築写真展 2017年5月5日 銀座アートグラフ自由学園明日館は、新しい時代にふさわしい女子教育の学校を作ろうとしていた羽仁吉一・もと子夫妻によって建学され、 帝国ホテル建設のために滞在していたフランク・ロイド・ライトが本館の設計を行いました。 遠藤 新は彼の助手として、またライト帰国後は彼の代行として竣工まで従事しました。創立者への感謝の気持ちとして 父母会が集めた寄付をもとに、限られた予算と建築部材で建てられました。その建物は温味と夢のある、 素晴らしい空間を持つ自由学園明日館(1921年竣工 重要文化財)となりました。 今回の写真展の講堂は本体の校舎が手狭になった為、学校のテニスコートであった場所に、遠藤 新によって設計されました。 昭和2年(1927)6月竣工です。本体校舎と同様に豪華な大理石やシャンデリアはありません。しかし、何本もの短い木材 によってフローリングされた床は、女子生徒が活き活きと走り回っていた情景を感じさせます。 また幾何学的な大きな木枠の窓からは、夢多い外の世界の光が、講堂の床に差し込んでいます。木と大谷石に囲まれた安らぎ のある空間は、まだまだ女性の社会的認識が低かった時代に、夢多き楽しい学園生活の空間であった事を確信させてくれます。現在講堂は耐震工事が行われていますが、2017年8月1日より公開されます。 本写真は工事直前の現況記録の状況を撮影した写真展です。自由学園明日館講堂再開に先立って公開いたします。最後に自由学園明日館の方々、大成建設の本社及び現場事務所の方々、また遠藤 現様など多数の方々の ご理解をいただきました。御礼申し上げます。